
面談にお越しになる方の中には、結婚したほうがいいのか?このまま独身でもよいかもと悩んでいる方もいます。
また、婚活をしていたとしてもやはり結婚せずに独身でもいい、と現状維持バイアスの影響を受けている方がいます。
現状維持バイアス(status quo bias) とは、人が変化を避けて「今の状態を続けよう」とする心理的傾向のことです。
という理由から、「今のままでいいや」と感じやすくなります。
例:
ここからは、現状維持バイアスが独身と結婚の関係についてどのように影響しているのかを説明します。自分の立ち位置、現状を理解して、婚活されると良いと思います😊
このバイアスは「独身でいること」や「結婚している状態」にも強く影響します。
独身を続ける人には、次のような現状維持バイアスが働くことがあります。
→ つまり、「変化(結婚)」に伴うリスクや不確実性を避け、現状の安心感を維持しようとする心理です。
→ 特に、仕事や趣味、友人関係が充実している人ほど、この傾向が強く出やすいです。
逆に、結婚している人にも現状維持バイアスは働きます。
→ 変化を起こすよりも、「現状の安定(たとえ不満があっても)」を選びやすくなります。
このバイアスの根底には、
実際に人は、得る喜びよりも失う痛みのほうが2倍強く感じる(プロスペクト理論:カーネマン&トヴェルスキー)といわれています。
つまり、「今の生活を壊したくない」という感情が、結婚・独身のどちらの立場でも強力に働きます。
| 観点 | 独身における現状維持バイアス | 結婚における現状維持バイアス | 
|---|---|---|
| 主な感情 | 自由・安定を失いたくない | 安定・立場を失いたくない | 
| リスクの認知 | 結婚は不確実・リスクが多い | 離婚や変化はリスクが大きい | 
| 結果 | 結婚に踏み切れない | 関係を変えられない | 
「現状維持バイアスを減らす」=「変化に対して前向きに意思決定できるようにする」ということですね。
これは単なる意志の問題ではなく、脳の「損失回避」「不確実性回避」を少しずつ慣らす訓練によって改善できます。

心理学・認知行動科学の観点から、5つの実践的トレーニング法を順を追って説明します。
目的:現状維持バイアスの第一歩は「気づくこと」。
自分が“変化を避ける理由”が合理的判断ではなく感情的回避であることに気づく練習です。
方法:ジャーナリング(思考の見える化)
👉 恐れと事実を分けるだけで、バイアスの影響がぐっと減ります。
目的:脳は大きな変化を「危険」とみなします。
そこで、“安全な変化”を積み重ねることで「変化耐性」を高めます。
方法:マイクロチャレンジ法
「変化しても大丈夫」という成功体験を積み重ねることで、変化への抵抗感が減ります。
目的:現状維持バイアスは「今の安心感>未来の可能性」という比較から生じます。
未来をよりリアルに感じると、変化へのモチベーションが高まります。
方法:未来ジャーナリング
例:
現状維持した10年後 → 一人で快適だが少し孤独を感じる
変化した10年後 → 家族との関係で新しい課題はあるが、充実感がある
👉 “未来の痛み”や“未来の喜び”を可視化すると、現状への執着が弱まります。
目的:現状維持バイアスでは、「変化=失敗のリスク」と極端に考えがちです。
そこで、リスクを定量的に考え直す訓練を行います。
方法:確率再評価
👉 感情に支配されず、「どちらの選択が長期的に望ましいか」を冷静に判断できるようになります。
目的:現状維持バイアスの根は「決断疲れ」と「後悔恐怖」です。
意図的に「決断 → 実行 → 振り返り」を繰り返すと、決断力が鍛えられます。
方法:
👉 こうして「決断しても致命的にはならない」という脳の学習が進み、変化への恐怖が減ります。
| トレーニング | 狙い | 効果 | 
|---|---|---|
| メタ認知トレーニング | バイアスの自覚 | 思考の客観化 | 
| マイクロチャレンジ法 | 小さな変化への慣れ | 変化耐性UP | 
| 未来ジャーナリング | 未来の可視化 | モチベーションUP | 
| 確率再評価法 | 感情→合理的思考 | リスク認知の修正 | 
| 意図的決断練習 | 決断恐怖の緩和 | 実行力の強化 | 
2冊目の著書「婚活はがんばらないほうがうまくいく」にも、決断力の強化方法についても記載していますので、参考にしてください。

現状維持バイアスは、婚活・結婚だけではなく、日々の生活にも影響を及ぼしています。
変化を好む人がいる一方で、変化を好まない人もいます。
ただ、長い人生の中で、変化をしないということがある時、恐怖という気持ちに変わることがあるのです。
この恐怖が訪れた時に、あの時○○しておけばよかった、とならないように、今できることを真摯に行いましょう。
とくに、「結婚」においていえば、いつでも結婚のチャンスは訪れるかもしれませんが、年齢が若い時のほうがご縁には近づきやすいのは事実です。
「独身のままでいいかも」これが本音ならよいのですが、少しでも結婚したいという気持ちがある人は、諦めないで婚活を続けましょう。
当結婚相談所に入会せずとも、個別相談を受け付けています。ご希望の方は、ラインから予約をお願いします。
