
結婚相談所での婚活は、まったく知らない者同士がお見合いから始まり、短期間で結婚相手を見極めていく特殊なプロセスです。育った環境も価値観も異なる二人が出会うわけですから、相手に対して不満や違和感を覚えるのは自然なことと言えます。
「デートの待ち合わせにいつも遅れる」「連絡の頻度が少なすぎる」「食事のマナーが気になる」「金銭感覚が合わない」など、婚活中に感じる不満は人それぞれです。こうした不満をどう扱うかが、関係を継続できるか、それとも破局に至るかの分かれ道になります。
重要なのは、不満が生まれること自体が問題なのではなく、その不満にどう対処するかが成婚への鍵を握っているということです🙂
婚活カウンセラーとして多くの会員様と接する中で、同じような状況でも不満をためこんでしまう人と、上手に消化できる人がいることに気づきます。この違いはどこから生まれるのでしょうか😅
自分の気持ちをうまく伝えられない
相手に嫌われたくない、波風を立てたくないという思いから、違和感や不満を感じても我慢してしまうタイプの方がいます。言葉にしないまま心の中に溜め込んでいくと、やがて小さな不満が大きな怒りに変わってしまいます。
相手の言動を悪い方向に解釈する
連絡が遅れただけで「私に興味がないのかも」、デートプランを提案しないだけで「やる気がない」など、相手の行動をネガティブに捉えがちな人は、不満を感じやすい傾向があります。
完璧を求めすぎる
相手に対する理想や期待値が高すぎると、些細なことでも失望してしまいます。結婚相手に求める条件が厳しすぎる人ほど、現実の相手とのギャップに不満を感じやすくなります。
受け流す技術が不足している
人間関係において、すべてを真正面から受け止めていては疲れてしまいます。「まあ、こういう人なんだな」と受け流せるスキルがない人は、ストレスをためやすくなります。
ここで重要な視点があります。不満を感じるとき、私たちは「相手が悪い」と考えがちですが、実は受け取る側、つまり自分の捉え方や対応方法に原因があることも少なくありません。
同じ行動をされても、不満に感じる人と感じない人がいます。これは相手の行動そのものではなく、それをどう解釈し、どう対処するかという「技術」の違いなのです。
婚活がうまくいかないと感じている方は、「相手に問題がある」と考える前に、「自分の受け止め方や伝え方に改善の余地はないか」と振り返ってみることが大切です。

では、相手に対して不満や気になる点がある場合、どのように伝えればよいのでしょうか。感情的になって関係を壊してしまわないために、以下の7つのポイントを意識してみてください。
人は疲れているとき、感情的になりやすく、また相手の言葉もネガティブに受け取りやすくなります。夜遅い時間や、一日の終わりに重要な話をするのは避けましょう。
できれば明るい時間帯、お互いに余裕がある休日の午前中や、落ち着いた雰囲気のカフェなどで話すのがおすすめです。環境が穏やかだと、会話も建設的になりやすいものです。
文字だけのコミュニケーションは、誤解を生みやすい危険なツールです。こちらが冷静に伝えたつもりでも、相手には攻撃的に受け取られることがあります。また、表情や声のトーンが伝わらないため、ニュアンスが正確に伝わりません。
不満や気になることを伝えるときは、必ず対面で、相手の表情を見ながら話しましょう。どうしても会えない場合は、最低でも電話で声を聞きながら伝えることが大切です。
一度伝えたことを何度も繰り返すのは逆効果です。相手は「自分は責められている」「信頼されていない」と感じ、関係がぎくしゃくしてしまいます。
伝えるべきことは一度きちんと伝え、あとは相手の変化を見守る余裕を持ちましょう。すぐに完璧に改善されなくても、少しずつ変わろうとする姿勢が見られれば、それを認めてあげることが重要です。
「この前もこうだったよね」「あのときもそうだった」と過去の出来事を持ち出すのは、建設的な話し合いを妨げます。相手は防御的になり、素直に話を聞けなくなってしまいます。
今、目の前の問題だけに焦点を当てて話すことが大切です。過去は変えられませんが、これからの関係はお互いの努力で良くしていくことができます。
アルコールが入っていると、普段は言わないようなきつい言葉が出てしまったり、感情のコントロールが難しくなったりします。また、翌日になって「あんなこと言ったっけ?」となり、話し合いが無意味になることもあります。
楽しいお酒の席では、ポジティブな会話を楽しみましょう。真面目な話は、シラフのときにきちんと時間を取って行うべきです。
怒りや悲しみの感情が高ぶっているときは、言葉の選び方も攻撃的になりがちです。感情をぶつけるのではなく、冷静に事実と自分の気持ちを伝えることが重要です。
感情的になりそうなときは、一度深呼吸をして、何を伝えたいのかを整理してから話し始めましょう。「私は〇〇と感じた」というアイメッセージで伝えると、相手も受け入れやすくなります。
不満だけを伝えるのではなく、相手の良いところや感謝していることも同時に伝えましょう。「いつもありがとう。でも、一つだけ気になることがあって」という前置きをするだけで、相手の受け取り方は大きく変わります。
批判だけでなく、承認も含めてバランスよく伝えることで、相手は「自分は否定されていない」と感じ、前向きに改善しようという気持ちになれます。
7つのルールに加えて、さらに効果的に気持ちを伝えるテクニックをご紹介します。
不満がたまっているときほど、意識して優しい口調で話しましょう。きつい言い方をすれば、内容が正しくても相手は心を閉ざしてしまいます。
トーンは穏やかに、でも内容はしっかりと伝える。このバランスが重要です。相手を責めるのではなく、一緒に問題を解決しようという姿勢が伝わるような話し方を心がけましょう。
カウンセラー自身の経験として、軽い不満や気になることは冗談めかして伝えることもあります。「もう、またそれ〜?」と笑いながら指摘することで、相手も重く受け止めすぎず、でもちゃんと伝わるということがあります。
ただし、これは関係性がある程度できてからの技術です。深刻な問題には適さないので、使いどころを見極めることが大切です。
「こうしてほしい」という要望だけでなく、「こうしたらどうかな?」という具体的な提案をすると、相手も行動しやすくなります。
例えば「もっと連絡してほしい」だけでなく、「仕事が忙しいのはわかるから、寝る前に一言だけでもメッセージもらえると嬉しいな」というように、具体的で実行可能な提案をすると効果的です。

婚活で最も重要な認識の一つが、この「当たり前の違い」です。自分にとって常識だと思っていることが、相手にとっては全く当たり前ではないことが多々あります。
デートの待ち合わせ時間、連絡の頻度、お金の使い方、食事のマナー、家事の分担、親との距離感など、すべてにおいて人それぞれの「当たり前」があります。それは、その人が育った家庭環境や、これまでの人生経験によって形成されたものです。
例えば、連絡がマメな家庭で育った人にとっては「毎日連絡するのが当たり前」かもしれませんが、親子でもあまり連絡を取らない家庭で育った人には「週に一度で十分」が当たり前かもしれません。どちらが正しいわけでも間違っているわけでもないのです。
「自分の当たり前」を相手に求めすぎると、婚活はうまくいきません。「これくらいできて当然」「こんなことも分からないの?」という態度は、相手を傷つけ、関係を悪化させます。
カウンセラーとして第三者の視点から見ていると、「それは自分の考えを押し付けているだけ」というケースが非常に多いのです。本人は「私は間違っていない」「相手がおかしい」と思っていても、客観的に見れば単なる価値観の違いに過ぎないことがほとんどです。

とはいえ、何でも許容すればいいというわけではありません。人として、パートナーとして、「これだけは許せない」というラインは誰にでもあるでしょう。
人としての基本的なモラルに反すること、例えば嘘をつく、約束を守らない、相手を尊重しない、暴力的な言動があるなど、これは「よほどのこと」として許容できないラインです🥲
また、結婚生活において譲れない価値観、例えば子どもを持つか持たないか、仕事を続けるかどうかなど、人生の根幹に関わる部分での不一致も、場合によっては受け入れられないことがあるでしょう。
しかし、婚活がなかなかうまくいかない人の中には、この「許せないライン」が厳しすぎる方がいます。
例えば、「食事中にスマホを一度でも見たら無理」「デートプランが自分の理想と少しでも違ったらダメ」「メールの返信が3時間以内でないと冷たい人だ」など、細かいことにこだわりすぎると、どんな相手とも長続きしません。
完璧な人間はいませんし、完璧なカップルも存在しません。小さな欠点や違いを「個性」として受け入れられる柔軟性がないと、結婚にはたどり着けないのです。
「また今回もダメだった」「いい人が全然いない」と感じている方は、一度立ち止まって考えてみてください。本当に相手に問題があるのか、それとも自分の基準が厳しすぎるのか。
友人や家族、そしてカウンセラーなど、客観的な意見を聞いてみることも大切です。第三者の視点から見ると、自分では気づかなかった偏りや厳しさが見えてくることがあります。
婚活は相手を探す活動であると同時に、自分自身を見つめ直す機会でもあります。相手に不満を感じたとき、それは自分の成長のチャンスと捉えることもできるのです。
相手の欠点は見えやすいものですが、自分の欠点はなかなか見えにくいものです。相手に完璧を求める前に、「自分はどうなのか」を振り返ってみましょう。
時間にルーズな相手に不満を感じるとき、自分は約束を完璧に守れているでしょうか。連絡が少ない相手を責める前に、自分は相手が心地よいと感じるコミュニケーションができているでしょうか。
価値観の違う者同士が一緒に生活する結婚生活では、柔軟性が不可欠です。自分の考えを曲げることなく、相手にも同じことを求めていては、共同生活は成り立ちません。
婚活の段階から、「違いを楽しむ」「新しい視点を受け入れる」という姿勢を持つことが、将来の幸せな結婚生活につながります。
不満をうまく伝える技術、相手の話を傾聴する技術、お互いの違いをすり合わせていく技術。これらは一朝一夕には身につきませんが、意識して練習することで必ず向上します。
婚活中の一つ一つの出会いを、コミュニケーション能力を磨く機会と捉えることで、たとえその相手とうまくいかなくても、次の出会いに活かすことができます。
不満がまったくない関係というのは、おそらく存在しません。長く連れ添った夫婦でも、お互いに「ここはちょっと」という部分は持っているものです。
大切なのは、不満がないことではなく、不満との付き合い方を知っていること。小さな不満をためこまず、かといって感情的にぶつけず、建設的に話し合える関係を築くこと。
婚活中に感じる不満は、結婚後の関係性を築くための予行演習だと考えましょう。今のうちに、お互いの違いをどう乗り越えるか、どうコミュニケーションを取るかを学んでおくことが、将来の幸せな結婚生活の基盤になります。
相手への不満を感じたとき、それは関係を終わらせるサインではなく、二人の関係をより深めるチャンスです。上手に伝え、お互いに歩み寄り、成長していく。そのプロセスを楽しめる人こそが、素敵なパートナーシップを築けるのです。
今一度、自分自身の伝え方、受け止め方、そして相手への期待値を振り返りながら、前向きに婚活を進めていきましょう。完璧な相手を探すのではなく、一緒に成長していける相手を見つけること。それが幸せな結婚への近道です🤗
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