
お笑い芸人の餅田コシヒカリさんが脱毛症であることを公表されました。テレビで拝見していて、ウィッグを着用されていることは何となく分かっていましたが、脱毛症という原因があったのですね。
男性も薄毛で悩む方は多くいらっしゃいますが、女性にとって髪の悩みは、より深刻な問題です。外見的な変化だけでなく、精神的なダメージも大きく、日常生活を送ること自体が辛くなることもあるでしょう。特に、隠せないほどの状態になってしまうと、外出すること、人と会うことへの不安が大きくなります。
そして、結婚を考える年齢の女性にとって、脱毛症は婚活においても大きな壁となります。相手にいつ、どのように伝えるべきか、受け入れてもらえるのか、様々な不安が頭をよぎるはずです🥲

結婚相談所で長く仲人をしていると、様々な事情を抱えた方と出会います。過去に、脱毛症で悩む女性を2名担当した経験があります。
1名の方は、全身の毛が抜けてしまうタイプの脱毛症でした。医学的には全身性脱毛症や汎発性脱毛症と呼ばれる症状です。頭髪だけでなく、眉毛やまつ毛も含めて、体毛がすべて抜け落ちてしまう状態でした。
初回の面談にお越しになった時、彼女は自然な雰囲気のウィッグをかぶっていらっしゃいました。一見すると分からないほど自然でしたが、ご本人にとっては毎日ウィッグを装着することへの負担や、いつかは相手に伝えなければならないという重圧があったことでしょう。
面談では、脱毛症のことを正直に打ち明けてくださいました。「いつ相手に伝えればいいのか」「受け入れてもらえるのか」「結婚なんて無理なんじゃないか」と、涙ながらに不安を語られた姿が今でも心に残っています。
もう1名の方は、頭頂部が薄くなるタイプの脱毛症でした。これは単なる薄毛とは異なり、円形脱毛症が進行して広範囲に及んだ状態です。部分的にウィッグやヘアピースで隠すことはできましたが、気を抜くと目立ってしまうため、常に神経を使っていらっしゃいました。
面談にお越しになる際は、帽子やヘアバンドなどで工夫されていましたが、お見合いの場でどう対応すべきか、デートではどうするかなど、健康な方なら考える必要のない悩みを抱えていました。
特に辛かったのは、「自分のこの状態を受け入れてくれる人がいるのか」という根本的な不安だったと思います。外見に自信が持てないことが、婚活への積極性を削いでしまい、良い出会いがあっても一歩引いてしまう傾向がありました。
脱毛症を抱える女性が婚活で最も悩むのが、相手にいつ、どのように伝えるかという問題です。このタイミングは非常に難しく、正解はありません。
お見合いの段階で伝えるべきか、何度かデートを重ねて相手の人柄が分かってから伝えるか、真剣交際に入ってから伝えるか。早すぎれば、まだ関係性が浅い段階で拒絶されるリスクがあります。遅すぎれば、「なぜもっと早く言ってくれなかったのか」と信頼関係に傷がつく可能性があります。
プロフィールに記載するという選択肢もありますが、そうすると申し込み自体が来なくなる可能性が高まります。かといって、隠し通すことは不可能ですし、結婚後に発覚すれば大きな問題になりかねません。
この葛藤は、当事者にしか分からない苦しみです。婚活という、ただでさえストレスフルな活動において、常に心にひっかかり続ける重荷を背負っているのです。
脱毛症は、外見の変化だけでなく、自己肯定感にも大きな影響を与えます。「こんな自分を好きになってくれる人はいない」「結婚なんて諦めるべきだ」という否定的な思考に陥りやすくなります。
婚活では自分の魅力をアピールする必要がありますが、自己肯定感が低いと、積極的に行動できません。相手からの好意も素直に受け取れず、「同情されているだけではないか」「本当の姿を見たら離れていくのではないか」と疑心暗鬼になってしまいます。
こうした心理状態は、婚活を進める上で大きな障害となります。結婚相談所の役割は、こうした会員様の心に寄り添い、少しずつ自信を取り戻してもらうサポートをすることでもあります。
脱毛症という病気は、まだ十分に理解されているとは言えません。「ストレスが原因でしょ」「気にしすぎじゃない」といった無神経な言葉を投げかけられることもあります。
婚活市場においても、外見を重視する傾向は否定できません。プロフィール写真や第一印象で判断されることが多い中で、ウィッグを着用していることをどう説明するか、相手やその家族に理解してもらえるか、不安は尽きません。
特に結婚となると、相手の家族からの視線も気になります。「病気の人と結婚させたくない」と反対されるのではないかという恐れが、婚活への一歩を踏み出す勇気を削いでしまうこともあります。
頭頂部が薄くなるタイプの脱毛症を抱えた女性は、勇気を出して当社での活動をスタートされました。最初は不安と緊張でいっぱいでしたが、「このまま何もしないで時間が過ぎていくのは嫌だ」という強い想いがありました。
活動を始めるにあたり、プロフィール写真をどうするか、プロフィール文に病気のことを記載するかなど、細かい点まで一緒に考えました。最終的には、写真はウィッグを着用した自然な姿で撮影し、プロフィール文には記載しないことにしました。ただし、お見合いが成立した際には、早めの段階で伝える準備をしておくことにしました。
活動を開始すると、幸いなことにお見合いの申し込みがありました。彼女の人柄や職業、趣味などに興味を持ってくださる男性がいたのです。
しかし、お見合いの席では、どうしても心の壁が邪魔をしてしまいました。「この人に脱毛症のことを伝えたら、どう思われるだろう」という不安が頭から離れず、自然体で話すことができませんでした。相手の男性は悪い方ではなかったのですが、彼女自身が自分を開示できず、関係は発展しませんでした。
このパターンが数回続き、彼女も私も、別のアプローチを考える必要があると感じ始めました。結婚相談所という枠組みの中では、どうしても「条件」で判断される側面があり、彼女にとっては不利に働いてしまう可能性がありました。
そんな中、彼女は並行してマッチングアプリも利用することにしました。結婚相談所とは異なり、マッチングアプリではもっとカジュアルに、まずはメッセージのやりとりから始められます。外見の情報も限定的で、人柄や会話の相性を重視できる環境でした。
そこで出会った男性とメッセージを重ねるうち、彼女は徐々に心を開いていきました。相手の男性は優しく、真摯に彼女の話に耳を傾けてくれる方でした。何度かやりとりを重ねた後、実際に会う前に、彼女は勇気を出して脱毛症のことを打ち明けました。
相手の男性の反応は、彼女の予想を裏切るものでした。「教えてくれてありがとう。そういうことがあったんだね。でも、それで君の価値が変わるわけじゃない。君は君だよ」というメッセージが返ってきたのです。
この言葉に、彼女は涙が止まらなかったと言います。長い間抱えてきた不安や恐れが、この一言で和らいだのです。
その後、二人は実際に会い、関係を深めていきました。彼女はウィッグを着用した状態で会いましたが、すでに相手は事情を知っているため、以前のような緊張や不安はありませんでした。
デートを重ねる中で、彼女は少しずつ自分の症状について詳しく話しました。治療のこと、日常生活での苦労、将来への不安など、すべてを正直に伝えました。相手の男性は、その都度真剣に聞いてくれて、「一緒に向き合っていこう」と言ってくれました。
そして、交際から約1年後、二人は結婚を決意しました。彼女が当社に報告に来てくださった時の笑顔は、初めて面談に来られた時とは別人のように明るく、幸せに満ちていました。
「諦めなくて良かった。本当に理解してくれる人と出会えた」という彼女の言葉は、仲人として最も嬉しい瞬間の一つでした。

結婚相談所には、様々な事情や背景を持った方が登録されています。健康面でも、完全に問題のない方ばかりではありません。持病を抱えている方、過去に大きな病気をされた方、障がいを持つ方など、多様な方々が真剣に結婚を考えています。
脱毛症以外にも、糖尿病、甲状腺の病気、自己免疫疾患、精神疾患、癌、不妊のリスクがある病気など、様々な健康上の課題を抱えながら婚活している方がいます。中には、見た目では分からないため、いつ相手に伝えるか悩む方もいれば、外見に表れるため最初から壁を感じている方もいます。
こうした方々に共通しているのは、「病気があっても結婚したい」「理解してくれるパートナーと出会いたい」という真摯な想いです。病気を理由に結婚を諦める必要はありません。実際に、病気を抱えながらも幸せな結婚をされている方は数多くいらっしゃいます。
しかし、正直に言えば、健康上の課題を抱える方の婚活が簡単でないことも事実です。お見合いの申し込み数が少なくなる可能性もありますし、カミングアウトした後に交際が終わってしまうこともあります。
心が折れそうになる瞬間は何度も訪れるでしょう。「やっぱり自分には無理なんだ」と諦めたくなることもあるはずです。周囲からの何気ない言葉に傷つくこともあります。
結婚相談所の仲人としても、こうした会員様をサポートする際には、通常以上の配慮とサポートが必要です。ただ出会いを提供するだけでなく、精神的な支えになり、自己肯定感を保つお手伝いをし、適切なタイミングでのカミングアウトをアドバイスするなど、きめ細やかなケアが求められます。
活動が簡単でないことは確かですが、それでも結婚したいという想いがあるなら、婚活に挑戦する価値は十分にあります。なぜなら、ご縁というものは、条件だけで決まるものではないからです。
人と人との出会いには、不思議な縁があります。あなたの病気や障がいを含めて、すべてを受け入れてくれる人は、必ずどこかにいます。その人と出会うためには、まず自分から一歩踏み出す必要があるのです。
先ほどの脱毛症の女性も、諦めずに活動を続けたからこそ、運命の相手と出会えました。もし途中で諦めていたら、今の幸せは手に入らなかったでしょう。
病気や障がいを抱えながら婚活する上で最も大切なのは、まず自分自身がその状態を受け入れることです。自分で自分を否定していては、相手に受け入れてもらうことは難しくなります。
「病気があっても、私は価値のある人間だ」「この病気は私の一部であって、すべてではない」と思えることが、前向きな婚活の第一歩です。もちろん、すぐに完全に受け入れられるわけではありません。時間をかけて、少しずつ自己受容を深めていくプロセスが必要です。
結婚相談所のカウンセラーは、この自己受容のプロセスを支援します。あなたの良いところを見つけ、自信を持ってもらうためのサポートを行います。
病気のことをいつ、どのように伝えるかは難しい問題ですが、最終的には正直で透明性のあるコミュニケーションが重要です。隠し続けることはできませんし、関係が深まってから発覚すると、信頼関係が崩れてしまいます。
適切なタイミングは人それぞれですが、一般的には、ある程度相手の人柄が分かり、お互いに好意を持ち始めた段階で伝えるのが良いでしょう。真剣交際に入る前、または入ってすぐのタイミングが多いです。
伝える際には、事実を正直に話しつつ、今後の見通しや日常生活への影響なども説明すると良いでしょう。相手が質問しやすい雰囲気を作り、不安を解消できるよう心がけることも大切です。
病気のことを伝えた後、相手が交際を続けられないと判断することもあります。それは決してあなたの価値が低いからではなく、相手にとっての様々な事情や価値観によるものです。
拒絶されたとき、自分を責めたり、「やっぱり自分は結婚できない」と思い込んだりしないでください。その人とはご縁がなかっただけで、あなたを受け入れてくれる人は必ず他にいます。
傷つくのは当然ですが、そこで立ち止まらず、次の出会いに向かう勇気を持ち続けてください。
あなたが病気のことで不安を抱えているように、それを知った相手も不安を感じる可能性があります。「どうサポートすればいいのか」「将来的にどうなるのか」「自分にできることはあるのか」といった疑問を持つでしょう。
相手の不安や疑問に対しても、丁寧に答え、一緒に考えていく姿勢を見せることが大切です。「一緒に乗り越えていきたい」という前向きな態度は、相手の心を動かします。
病気を抱えているのはあなたですが、それを共有し、共に歩んでいくことが結婚です。相手の気持ちにも寄り添う余裕を持つことが、良好な関係を築く鍵となります。
結婚相談所では、病気や障がいを抱える会員様に対して、個別の状況に合わせたアドバイスを提供します。プロフィールの書き方、カミングアウトのタイミング、伝え方など、デリケートな問題について一緒に考えます。
経験豊富な仲人であれば、過去に同様のケースをサポートした経験があり、何がうまくいったか、何に注意すべきかを熟知しています。あなた一人で悩むのではなく、プロのアドバイスを受けながら進めることで、スムーズに婚活を進められます。
婚活は精神的に負担の大きい活動です。特に健康上の課題を抱えている方にとっては、通常以上のストレスがかかります。うまくいかないとき、心が折れそうなとき、誰かに話を聞いてもらうだけでも気持ちが楽になります。
結婚相談所の仲人は、婚活のプロであると同時に、会員様の心の支えでもあります。辛いときには一緒に悩み、うまくいったときには一緒に喜ぶ。そんな伴走者がいることで、困難な婚活も乗り越えられるのです。
結婚相談所の強みは、事前に相手の価値観や考え方をある程度把握できる点です。病気や障がいに対して理解のある方、人間性を重視する方を中心に紹介することで、ミスマッチを減らすことができます。
また、仲人同士のネットワークを活用して、「この方なら理解してくれそう」という相手を探すこともできます。やみくもに数を追うのではなく、質の高い出会いを提供することが、結婚相談所の役割です。
餅田コシヒカリさんが脱毛症をカミングアウトされたことは、同じ悩みを抱える多くの方々に勇気を与えたことでしょう。有名人が自らの病気や障がいを公表することで、社会の理解が深まり、当事者が生きやすくなる効果があります。
婚活においても、こうした公表が少しずつ偏見を減らし、病気を抱える方々が堂々と婚活できる環境を作っていくことにつながります。「自分だけじゃない」「カミングアウトして良いんだ」と思えることは、大きな心の支えになります。
脱毛症やその他の病気を抱えながらの婚活は、確かに困難が伴います。しかし、諦めなければ、必ず理解してくれる人、あなたのすべてを受け入れてくれる人と出会えます🤗
結婚は条件だけで決まるものではありません。人柄、価値観、相性、そして何より、お互いを思いやる気持ちが大切です。病気があることは、確かにハンディキャップかもしれませんが、あなたの価値を決定づけるものではありません。
もしあなたが今、病気を抱えながら婚活を悩んでいるなら、勇気を出して一歩踏み出してみてください。結婚相談所では、あなたの味方になって全力でサポートします。
そして、すべてを打ち明けた上で「それでも一緒にいたい」と言ってくれる人との出会いは、何にも代えがたい幸せをもたらします。その日が訪れることを信じて、前に進んでいきましょう。
あなたの勇気と努力が、必ず実を結ぶ日が来ることを、心から願っています。
ちなみに、私自身も部分円形脱毛症は経験しました。人生で4度の手術も経験していたり、もともと皮膚病がありずっと悩んできた人生でした。
みんな悩みはあります!それでも、幸せになっています。
当結婚相談所に入会せずとも、個別相談を受け付けています。ご希望の方は、ラインから予約をお願いします。
