
恋愛や結婚がうまくいかなくなる原因の一つに、「相手に何かしてもらおう」という欲が強すぎることがあります。今回は、良好な夫婦関係を築くために知っておきたい、依存と自立のバランスについてお話しします。
片思いの人ができたとしましょう。
最初は、その人と目が合うだけでもうれしい。
話せるだけでもうれしい。
大人数で会えるだけでもうれしい。
ふたりで会えるだけでもうれしい。
そして、晴れてカップルになったとしましょう。
本当はそれだけでも奇跡的なことなのに、人は次第に欲に溺れてしまいます。「もっとこうしてほしい」「もっとああしてほしい」と、相手への要求がどんどん増えていくのです。
考えてみてください。この世界には何十億という人がいて、その中からたった一人のお相手と出会い、お互いに好意を持ち、カップルになれた。これは本来、とても幸運なことです。
しかし、人間は慣れてしまう生き物です。最初は「会えるだけで幸せ」だったはずが、いつの間にか「もっと会いたい」「もっと連絡してほしい」「もっと私を優先してほしい」と、要求がエスカレートしていきます。

結婚して夫婦になっても、この傾向は変わりません。むしろ、より顕著になることさえあります。
最初は、他人同士だったのに、運よく籍を入れられたからといって、急に相手を思い通りにできると思ってはいけません。
結婚をしたのですから、協力は必要です。違う二人が共同生活をするわけですからね。生活を共にする以上、お互いの協力は欠かせません。
しかし、協力は必要なのですが、そこで相手を自分の思い通りにしようとしてはいけないのです。
たとえば、同じ家に住んでいるからといって、お互いに一人の時間があっても構いません。
むしろ、一人の時間を持つことは、健全な夫婦関係を維持するために必要なことです。四六時中一緒にいることが、必ずしも良い夫婦関係を意味するわけではありません。
先日、こんな記事を読みました。
ある妻が、夫が漫画ばかり読んでいて、週末に一緒に出かけられないのが不満だという内容でした。しかし、その夫は育児にも協力的で、家事もきちんと手伝っていました。
記事を読み進めると、驚くべき事実が明らかになりました。「漫画ばかり読んでいる」という夫は、実は1日20分しか読んでいなかったそうです。
たった20分も趣味に使っていけない生活って何?と思いました。
もちろん、夫婦で一緒に出かけたりもしていたそうです。外出がまったくなかったわけではないのに、漫画を読む夫を許せなくなったというのです。
週末にも外出する機会はあったし、夫は育児も家事も協力的。それでもなお、一日20分の趣味時間さえも「漫画ばかり読んでいる」と感じてしまう。
これは明らかに、要求水準が高すぎる状態です。
要するに、この女性は夫に求めていることが多く、自分の心の隙間を相手によって埋めようとしていたのです。
自分の人生の充実感や幸福感を、すべて配偶者に依存している状態。これでは、どんなに相手が頑張っても、満足することはできません。
なぜなら、本来自分自身で満たすべき心の隙間を、他人で埋めようとしているからです。

この女性が、自分の時間を有意義に使える人だったらどうだったでしょうか?
多分、夫とうまくやっていけたと思います。
夫が20分漫画を読んでいる間、自分も好きなことをする。夫が一人の時間を楽しんでいる間、自分も自分の趣味や興味に時間を使う。そういう関係性であれば、お互いに不満は生まれなかったはずです。
夫婦になったのだから、必ず一緒に出かけなければいけないという価値観に縛られた結果、それを叶えてくれない夫を嫌になるという悪循環に陥ってしまったのです。
「夫婦とはこうあるべき」 「週末は必ず一緒に過ごすべき」 「相手は常に私を優先すべき」
こうした「べき論」に縛られると、相手の些細な行動さえも許せなくなってしまいます。
冒頭に記載したとおり、相手に何かしてもらおうという欲を出しすぎることで、恋愛・結婚がうまくいかなくなります。
もちろん、恋愛・結婚は、ある程度相手に何かを求めてしまうもの。それは自然なことです。求めても良いこともあります。
でも、求めすぎが良くないのです。
適度な期待と要求は健全な関係を築きますが、過度な期待と要求は相手を窒息させます。相手は「何をしても満足してもらえない」と感じ、関係が悪化していくのです。
お互いの関係に「支配」というようなワードが出始めてきたりもします。
「私の思い通りに動いてくれない」 「なぜ私の気持ちをわかってくれないの」 「もっと私のために時間を使ってほしい」
これらは、相手への期待が高すぎるがゆえの不満です。そして、これらの不満は「相手を支配したい」という欲求の表れでもあります。
自分ひとりでも楽しめる、自分の時間を大切にできる人同士のほうが、恋愛も結婚もうまくまわっていくのではないかなと思います。
精神的に自立している人は、以下のような特徴があります。
こういう人同士が結婚すると、お互いを尊重し合える健全な関係が築けます🩷
もちろん、完全に自立していて相手に何も求めないというのも、冷たい関係になってしまいます。
大切なのはバランスです。
適度に相手を頼り、適度に自立している。相手に期待しつつも、過度な期待はしない。一緒の時間も大切にしながら、一人の時間も尊重する。
このバランスが取れている関係こそが、長続きする幸せな夫婦関係なのです。
これから結婚を考えている方、婚活中の方にも、この考え方は重要です。
結婚相手を探すとき、「この人が私を幸せにしてくれるか」という視点だけで考えていませんか?
もちろん、相手が自分を大切にしてくれるかは重要です。しかし、それと同じくらい重要なのが、以下のポイントです。
結婚は、二人が一つになることではありません。二人の個人が、お互いを尊重しながら一緒に人生を歩むことです。
「相手に何かしてもらおう」という欲が強すぎると、どんなに素晴らしいパートナーと出会っても、幸せを感じることはできません。
大切なのは、まず自分自身が精神的に自立していること。自分の時間を楽しみ、自分の人生を充実させられること。その上で、パートナーとの時間も大切にする。
このバランスが取れたとき、初めて健全で長続きする関係が築けるのです。
婚活中の方も、既婚者の方も、一度立ち止まって考えてみてください。相手への期待が大きすぎませんか?自分の幸せを相手任せにしていませんか?
片思いの頃の「会えるだけで幸せ」というシンプルな喜びを思い出してみましょう。その純粋な気持ちこそが、幸せな関係の原点なのかもしれません💖
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